伝統

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粟野春慶

【県央】

稲川家が守り伝える粟野春慶塗の木製の器類
稲川家が守り伝える粟野春慶塗の木製の器類

 岐阜の「飛騨春慶(しゅんけい)」、秋田の「能代春慶」とともに、日本三春慶の一つに数えられる漆工芸「粟野春慶塗」。室町時代の1489年に現在の城里町で始まり、現在は老舗の稲川家が守り伝える。

 春慶塗は木の器などに透明な漆を塗って、木目が透けるように美しく仕上げる漆塗りの技法の一つ。粟野春慶は佐竹氏に仕えていた稲川山城主・源義明が、那珂川沿いに群生していた漆やヒノキを使って始めたとされる。

 江戸時代ごろには旧桂村地域が「春慶塗の里」として盛んで、多くの職人がいたが、今では稲川家の19代と息子だけになった。手掛けるのは茶器や花器のほか、お盆や弁当箱、重箱など多くは日用品だ。

 材木を加工する木地作りから、漆塗りまでの全ての工程を行う。材料のヒノキは樹齢100年以上のもので、特に堅い「石檜(いしっぴ)」にこだわる。漆は現在、大子町産を使用。漆には梅酢とエゴマ油を混ぜ、木地にじかに塗り、3度塗りで仕上げる。


◆主な意見
・日本三大春慶塗のひとつであり伝統工芸品として生産されるものであるため。

【LINK】
城里町観光協会