自然

【市町村名】は市町村枠、それ以外は全県枠として選ばれた項目です。

茨城の漆

【県北】

樹木に溝を入れ、樹液をすくい取る漆かき
樹木に溝を入れ、樹液をすくい取る漆かき

 本県は岩手県に次ぐ全国2位の漆生産地で、大子町と常陸大宮市で採取、常陸太田市でも植栽される。透明度や艶など高い品質を誇り、高級漆器の仕上げ用として使われる。大子町産は筑西市の人間国宝の漆芸家、大西勲さんも使用する。

 漆かきは、10年以上育った樹木の樹皮に職人が溝を切り込み、にじみ出る生漆をヘラですくい取る根気のいる作業だ。シーズンは6~9月。最も採取できるのは8月で、良質な盛物(さかりもの)と呼ばれる。木1本からは150~200グラム程度しか取れない。

 国産漆は中国産に比べ、品質に優れて評価が高いにもかかわらず、生産量が少なく高価なため、主に高級漆器の仕上げ用に使用されてきた。だが、仏像や神社仏閣など文化財修復に国産漆は不可欠で、需要が急増。このため、大子町ではNPO法人や愛好家らが漆の植栽に取り組んでいる。一方で、漆かき職人の高齢化が進み、生活も安定しないことから、職人の育成や冬場の生活保障などが求められる。


◆主な意見
・日本で使われている漆の99%は中国産。しかし、その残りの貴重な国産漆の生産で茨城県は2番目にランクされている。日本の伝統工芸を絶やさず、発展させていく上では極めて大切なもの
・人間国宝も使用する高品質の漆。他にはない茨城の宝であり、守り伝えないといけないもの

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いばらきさとやま生活