県北

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地理学者・長久保赤水

【県北】

近代地理学の祖といわれる長久保赤水
近代地理学の祖といわれる長久保赤水

 高萩市出身で江戸時代後期の地理学・儒学・農政学者。伊能忠敬の実測の日本地図より40年以上前に緯線と方角線の入った日本地図「改正日本輿地路程全図」を世に送り出した。5000~6000の名所や旧跡、城などが記され、諸地図、書籍などを比較・考証して制作した編集図とされる。日本で初の折り畳み式の中国歴史地図帳も作成。2014年までに海外6カ国で44点の赤水図が確認されている。

 赤水は儒学の中でも特に朱子学を学び、52歳の時に農民から学問の功績で郷士格(武士)に取り立てられた。61歳で水戸藩主徳川治保(はるもり)の侍講(じこう)に抜てき。死罪を覚悟の上で治保に農民の苦しみを訴える上書「農民疾苦」を提出し、農政・藩政改革を実現させた。江戸小石川の水戸藩邸で80歳まで暮らし、85歳で死去した。

 16年に火星と木星の中間を楕円(だえん)軌道で太陽の周りを回る小惑星に、「Nagakubo」の名が付けられた。小惑星は直径約10キロで、地球から最も近づくと約1億キロ、最遠で約4億5000万キロの距離にある。


◆主な意見
・日本で初めての経緯線が入った日本地図(赤水図)を作り、この赤水図は、伊能忠敬の実測図に先駆けて完成し、庶民の間で広く使用。幕末にも広く役立つものとして扱われ、日本地理学において重要な足跡を残した。
・身分制度があった江戸時代に農民出身でありながら、時の水戸藩主の侍講となった。また、「日本輿地路程全図」作成や藩政改革のための建白書を上書するなど85歳で亡くなるまで活躍した日本史に残る偉人

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高萩市観光協会